○熊野市職員の旅費に関する条例
平成17年11月1日
条例第45号
目次
第1章 総則(第1条~第12条)
第2章 旅費(第13条~第25条)
第3章 雑則(第26条~第29条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第24条第5項の規定に基づき、公務のために旅行する職員に対し支給する旅費に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 出張 職員が公務のため一時その在勤庁を離れて旅行することをいう。
(2) 赴任 採用された職員がその採用に伴う移転のため住所若しくは居所から在勤庁に旅行し、又は転任を命ぜられた職員がその転任に伴う移転のため旧在勤庁から新在勤庁に旅行することをいう。
(3) 帰住 職員が退職し、又は死亡した場合において、その職員若しくはその扶養親族又は遺族が生活の根拠地となる地に旅行することをいう。
(4) 扶養親族 職員の配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で主として職員の収入によって生計を維持しているものをいう。
(5) 遺族 職員の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに職員の死亡当時職員と生計を一にしていた他の親族をいう。
(旅費の支給)
第3条 職員が出張し、又は赴任した場合には、当該職員に対し、旅費を支給する。
(1) 職員が出張又は赴任のため旅行中に退職(免職を含む。)、失職又は休職(以下「退職等」という。)となった場合(当該退職等に伴う旅行を必要としない場合を除く。)には、当該職員
(2) 職員が出張又は赴任のため旅行中に死亡した場合には、当該職員の遺族
(3) 勤続2年以上の職員が死亡した場合において、当該職員の遺族がその死亡の日の翌日から3月以内にその居住地を出発して帰住したときは、当該遺族
4 職員が当該職員の任命権者以外の機関の依頼に応じ、公務の遂行を補助するため旅行した場合には、当該職員に対し旅費を支給する。
(旅行命令等)
第4条 旅行は、任命権者若しくはその委任を受けた者又は旅行依頼を行う者(以下「旅行命令権者」という。)の発する旅行命令等によって行わなければならない。
2 旅行命令権者は、電信、電話、郵便等の通信による連絡手段によっては公務の円滑な遂行を図ることができない場合で、かつ、予算上旅費の支出が可能である場合に限り、旅行命令等を発することができる。
4 旅行命令権者は、旅行命令等を発し、又はこれを変更するには、旅行命令簿又は旅行依頼簿(以下「旅行命令簿等」という。)に当該旅行に関し必要な事項を記載し、これを当該旅行者に提示して行わなければならない。ただし、これを提示するいとまがない場合には、口頭により旅行命令を発し、又はこれを変更することができる。この場合において、旅行命令権者はできるだけ速やかに、旅行命令簿等に当該旅行に関し必要な事項を記載し、これを当該旅行者に提示しなければならない。
5 旅行命令簿等の記載事項及び様式は、別に定める。
(旅行命令等に従わない旅行)
第5条 旅行者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により旅行命令等(前条第3項の規定により変更された旅行命令等を含む。以下本条において同じ。)に従って旅行することができない場合には、あらかじめ旅行命令権者に旅行命令等の変更の申請をしなければならない。
2 旅行者は、前項の規定による旅行命令等の変更の申請をするいとまがない場合には、旅行命令等に従わないで旅行したのち、できるだけ速やかに、旅行命令等の変更の申請をしなければならない。
3 旅行者が、前2項の規定による旅行命令等の変更の申請をせず、又は申請したがその変更が認められなかった場合において、旅行命令等に従わないで旅行したときは、当該旅行者は、旅行命令等に従った限度の旅行に対する旅費のみの支給を受けることができる。
(普通旅費の種類)
第6条 普通旅費の種類は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、日当、宿泊料及び食事料とする。
2 鉄道賃は、鉄道旅行について路程に応じ旅客運賃等により支給する。
3 船賃は、水路旅行について路程に応じ旅客運賃等により支給する。
4 航空賃は、航空旅行について路程に応じ旅客運賃により支給する。
5 車賃は、陸路(鉄道を除く。以下同じ。)旅行について路程に応じ1キロメートル当たりの定額又は実費額により支給する。
6 日当は、旅行中の日数に応じ1日当たりの定額により支給する。
7 宿泊料は、夜数に応じ1夜当たりの定額により支給する。
8 食事料は、鉄道旅行、水路旅行及び航空旅行中の夜数に応じ1夜当たりの定額により支給する。
(特殊旅費の種類)
第7条 特殊旅費の種類は、移転料、扶養親族移転料及び日額旅費とする。
2 移転料は、赴任に伴う住所又は居所の移転について、路程に応じ一定距離当たりの定額により支給する。
3 扶養親族移転料は、赴任に伴う扶養親族の移転について支給する。
(旅費の計算)
第8条 旅費は、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算する。ただし、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により最も経済的な通常の経路又は方法によって旅行し難い場合には、その現によった経路及び方法によって計算する。
第9条 旅費計算上の旅行日数は、旅行のため現に要した日数による。
第10条 1日の旅行において、日当又は宿泊料(扶養親族移転料のうちこれらの旅費に相当する部分を含む。以下本条において同じ。)について定額を異にする事由が生じた場合には、額の多い方の定額による日当又は宿泊料を支給する。
第11条 鉄道旅行、水路旅行、航空旅行又は陸路旅行中における年度の経過等のため鉄道賃、船賃、航空賃又は車賃(扶養親族移転料のうちこれらの旅費に相当する部分を含む。)を区分して計算する必要がある場合には、その必要が生じた後の最初の目的地に到着するまでの分及びそれ以後の分に区分して計算する。
(旅費の請求手続)
第12条 旅費(概算払に係る旅費を含む。)の支給を受けようとする旅行者及び概算払に係る旅費の支給を受けた旅行者でその精算をしようとするものは、所定の請求書に必要な書類を添えて、これを当該旅費の支払をする者(以下「支払担当者等」という。)に提出しなければならない。この場合において、必要な添付書類の全部又は一部を提出しなかった者は、その請求に係る旅費額のうちその書類を提出しなかったため、その旅費の必要が明らかにされなかった部分の金額の支給を受けることができない。
2 概算払に係る旅費の支給を受けた旅行者は、当該旅行を完了した後、所定の期間内に当該旅行について前項の規定による旅費の精算をしなければならない。
3 支払担当者等は、前項の規定による精算の結果、過払金があった場合には、所定の期間内に当該過払金を返納させなければならない。
第2章 旅費
(鉄道賃)
第13条 鉄道賃の額は、旅客運賃、急行料金及び特別車両料金並びに座席指定料金により、別表第1の定額とする。
2 前項に規定する急行料金のうち特別急行料金は、特別急行列車を運行する線路で、片道100キロメートル以上の場合に限り規則の定めるところにより支給する。
3 座席指定料金は、普通急行列車を運行する線路による旅行で、片道100キロメートル以上の旅行についてのみ支給する。
(船賃)
第14条 船賃の額は、旅客運賃及び寝台料金により別表第1の定額とする。
(航空賃)
第15条 航空賃の額は、現に支払った旅客運賃による。
(車賃)
第16条 車賃の額は、実費額による。ただし、市長が別に定める基準に基づき、旅行命令権者の承認を受けて職員が私有車を使用して旅行した場合の車賃の額は、路程1キロメートルにつき20円とする。
2 前項ただし書の規定による車賃の支給のための路程の計算は、市長が別に定めるところによりこれを行うものとする。
(日当)
第17条 日当の額は、別表第1の定額による。
3 鉄道、水路又は陸路にわたる旅行については鉄道4キロメートル、水路2キロメートルをもって、それぞれ陸路1キロメートルとみなして前項の規定を適用する。
(宿泊料)
第18条 宿泊料の額は、別表第1の定額による。
2 宿泊料は、鉄道、水路及び航空旅行中の夜行については支給しない。
(食事料)
第19条 食事料の額は、別表第1の定額による。
2 食事料は、鉄道、水路及び航空旅行中の夜行の場合に限り、支給する。
(移転料)
第20条 移転料の額は、次に掲げる額による。ただし、陸路6キロメートル未満にあっては支給しない。
(1) 赴任の際扶養親族を移転する場合には、旧在勤地から新在勤地までの路程に応じた別表第2の定額による。
(2) 赴任の際扶養親族を移転しない場合には、前号に規定する額の2分の1に相当する額
(扶養親族移転料)
第21条 扶養親族移転料の額は、次に規定する額による。
(1) 赴任の際扶養親族を旧在勤地から新在勤地まで伴う場合には、赴任を命ぜられた日における扶養親族1人ごとに、その移転の際における年齢に従い、次に規定する額の合計額
ア 12歳以上の者については、その移転の際における職員相当の鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃の全額並びに日当、宿泊料及び食事料の3分の2に相当する額
イ 12歳未満6歳以上の者については、アに規定する額の2分の1に相当する額
ウ 6歳未満の者については、その移転の際における職員相当の日当、宿泊料及び食事料の3分の1に相当する額。ただし、6歳未満の者を3人以上伴うとき、2人を超える者ごとにその移転の際における職員相当の鉄道賃及び船賃の2分の1に相当する金額を加算する。
2 職員が赴任を命ぜられた日において胎児であった子をその赴任の後移転する場合においては、扶養親族移転料の額の計算についてはその子を赴任を命ぜられた日における扶養親族とみなして前項の規定を適用する。
(日額旅費)
第22条 第6条第1項に掲げる旅費に代え日額旅費を支給する旅行は、次に掲げる旅行のうち当該旅行の性質上日額旅費を支給することを適当と認めて市長が指定するものとする。
(1) 測量、調査、土木営繕工事、巡察その他これらに類する目的のための旅行
(2) 長期間の研修、講習、訓練その他これらに類する目的のための旅行
2 日額旅費の額、支給条件及び支給方法は、規則で定める。ただし、その額は当該日額旅費の性質に応じ、第6条第1項に掲げる普通旅費についてこの条例で定める基準を超えることができない。
(市内旅行の旅費)
第23条 市内における旅行については、規則に規定する額の旅費を支給する。
(退職者の旅費)
第24条 第3条第2項第1号の規定により支給する旅費は、次に規定する旅費とする。
(1) 職員が出張中に退職等となった場合には、次に規定する旅費
ア 退職等となった日(以下「退職等の日」という。)にいた地から退職等の命令の通達を受けた日にいた地までの旅費
イ 退職等の命令の通達を受けた日の翌日から3月以内に出発して当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、出張の例に準じて計算した退職等の命令の通達を受けた日にいた地から旧在勤地までの旅費
(2) 職員が赴任中に退職等となった場合には、赴任の例に準じ、かつ、新在勤地を旧在勤地とみなして前号の規定に準じて計算した旅費
(遺族の旅費)
第25条 第3条第2項第2号の規定により支給する旅費は、次に規定する旅費とする。
(1) 職員が出張中に死亡した場合には、死亡地から旧在勤地までの往復に要する旅費
(2) 職員が赴任中に死亡した場合には、赴任の例に準じて計算した死亡地から新在勤地までの旅費
3 第3条第2項第3号の規定により支給する旅費は、第21条第1項第1号の規定に準じて計算した居住地から帰住地までの鉄道賃、船賃、車賃及び食事料とする。この場合において、同号中「赴任を命ぜられた日」とあるのは、「職員が死亡した日」と読み替えるものとする。
第3章 雑則
(旅費の調整)
第26条 任命権者は、旅行者が公用の交通機関、宿泊施設等を利用した場合その他当該旅行における特別の事情により又は当該旅行の性質上この条例の規定による旅費を支給した場合には、不当に旅行の実費を超えた旅費又は通常必要としない旅費を支給することとなる場合においては、その実費を超えることとなる部分の旅費又はその必要としない部分の旅費を支給しないことができる。
2 任命権者は、旅行者がこの条例の規定による旅費により旅行することが当該旅行における特別の事情により又は当該旅行の性質上困難である場合には、市長と協議して定める旅費を支給することができる。
(旅費の特例)
第27条 任命権者は、職員について労働基準法(昭和22年法律第49号)第15条第3項又は第64条の規定に該当する事由がある場合においては、前職相当の旅費額の範囲内において現に必要とする旅費を支給する。
(準用規定)
第28条 外国旅行の場合の支給については、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号)を準用する。
(委任)
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年11月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に出発する旅行から適用し、施行日前に出発した旅行については、この条例の規定にかかわらず、合併前の熊野市職員の旅費に関する条例(昭和32年熊野市条例第7号)又は紀和町職員の旅費に関する条例(昭和32年紀和町条例第6号)の規定の例による。
附則(平成19年3月26日条例第2号)
(施行期日)
1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。
(収入役に関する経過措置)
2 地方自治法の一部を改正する法律(平成18年法律第53号)附則第3条第1項の規定により収入役がなお従前の例により在職する場合においては、第4条の規定による改正前の熊野市特別職報酬等審議会条例第2条の規定、第5条の規定による改正前の熊野市特別職の職員の給料及び旅費等に関する条例第1条及び第4条の規定並びに第6条の規定による改正前の熊野市職員の旅費に関する条例別表第1の備考第2号は、なおその効力を有する。
附則(平成19年6月29日条例第16号)
この条例は、平成19年7月1日から施行する。
附則(平成28年3月24日条例第13号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和元年9月25日条例第9号)
この条例は、令和元年12月14日から施行する。
別表第1(第13条、第14条、第17条―第19条関係)
旅費額表
区分 | 鉄道賃 | 船賃 | 航空賃 | 日当 (1日につき) | 宿泊料 (1夜につき) | 食事料 (1夜につき) | |
県外 | 甲地方 | 普通旅客運賃 | 1等運賃 | 実費 | 2,600円 | 13,100円 | 2,200円 |
乙地方 | 2,200円 | 9,800円 | |||||
県内 | 2等運賃 | ||||||
南牟婁郡、尾鷲市、紀北町、新宮市、那智勝浦町、太地町、北山村、下北山村、上北山村 | ― | ― | ― | ― |
備考
(1) 区分の欄中甲地方及び乙地方の地域は、別に規則で定める。
(2) 市長、副市長、教育長、議会の議長、副議長、議員及び委員会の委員等に随行した場合の宿泊料及び食事料は、同規定による額を支給する。
別表第2(第20条関係)
移転料
鉄道50キロメートル未満及び市内 | 鉄道50キロメートル以上100キロメートル未満 | 鉄道100キロメートル以上300キロメートル未満 | 鉄道300キロメートル以上 |
107,000円 | 123,000円 | 152,000円 | 187,000円 |
備考 路程の計算については、水路1キロメートル及び陸路4分の1キロメートルをもってそれぞれ鉄道1キロメートルとみなす。