熊野古道

1000年以上も昔から日本全国の人々が熊野を目指すために歩いてきた巡礼の道、熊野古道。紀伊半島の山々を越えて熊野三山へと繋がる複数のルートのうち、伊勢神宮と熊野を結ぶルートは伊勢路と呼ばれ、お伊勢参りを終えた巡礼者たちは熊野市を縦断して熊野三山を目指しました。日本有数の雨量で山道が崩れるのを防ぐため、多くの部分には頑丈な石畳が敷かれました。また、道の端に人の背丈ほどの高さまで築かれた石垣は「猪垣（ししがき）」と呼ばれ、当地の人々が猪から田畑を守るために造ったものです。
これら全てが人力で行れ、頑丈且つ美しく残る様子は、当時の技術力の高さを今に伝えています。熊野古道は2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録され、神秘的な奥熊野の山中を行く巡礼を追体験するため、現在では世界中から観光客が訪れています。