ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)について

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ジャンボタニシの成貝
ジャンボタニシの成貝
ジャンボタニシの卵
ジャンボタニシの卵

ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)とは、南米原産の巻貝の一種です。食用として輸入され、全国で養殖されていましたが、野生化しました。
水田や農業用水路で主に繁殖し、若い稲(田植え後3週間程度まで)への食害が発生します。

ジャンボタニシの生態
乾燥に強く、寒さに弱い特性があります。単なる乾燥条件では半年以上生存することもありますが、マイナス3度では2日以内に多くの個体が死んでしまうと言われます。寒さをしのぐため、多くの貝は土に浅く潜って越冬します。落ち葉や泥の溜まった水路、稲刈り後から翌年の春まで耕うんしない水田は、貝が土に潜って寒さをしのぐのに適した場所となります。越冬した貝は、田植えの準備が始まる頃に土から出て活動を始めます。

被害軽減対策

(1)取水時に圃場への侵入防止対策を施しましょう。(4月~5月)
9mm目合い程度の網(ネット)を取水口・排水口へ設置します。浸水しやすい圃場では畦畔(けいはん)を高くすることで侵入を防止できます。

(2)浅水管理で食害を防止しましょう。(移植時~移植後約4週間後)
田植後の苗の若い時期に水深4cm以下(理想は1cm)の浅水管理をすることで、貝の活動が鈍くなり、あまり食害されません。
※圃場内を均平に保ち、水深が深くなる場所を減らすことが重要です。

(3)冬季の耕うん(1月~2月)
土壌が乾いて固い厳冬期に行います。ピッチを小さくし、低速で土壌を細かく砕くようにしましょう。6cmの浅耕でも効果的です。貝を物理的に壊し、寒風にさらします。

(4)貝・卵を定期的に捕殺しましょう。(全期間)
卵には毒性があり、また貝は寄生虫を持っている場合があるため、素手で触らないようにし、圃場・用水路・排水路をチェックしましょう。寄生虫に感染した場合、発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出るとされています。触ってしまった場合は石鹸で手を洗ってください。
※地域全体で取り組むとより効果的です。

(5)卵塊(らんかい)を処理しましょう。(全期間)
卵は水中に落とすか潰しましょう。産卵直後の卵は水に落とすと孵化(ふか)できなくなります。しかし産卵後時間がたち少し白味を帯びた卵は潰すほうが確実です。

薬剤による防除

田植時の薬剤散布(田植後~5月)
圃場内で貝が活動しだしてから行います。薬剤の特性を考慮し、田植時の被害が出る前に、発生状況に応じて全面散布、貝が集まる深水部分への重点的な散布等を実施しましょう。
水深3~5cmの状態で均一に散布し、散布後7日間は水を保ち、水路への落水やかけ流しはしないでください。
※貝の活動前だと効果が薄くなってしまうので注意が必要です。

(例)
メタアルデヒド粒剤
本貝に対する誘引性があり、摂食による殺貝効果がある。
燐酸第二鉄粒剤
有機 JAS 規格に適合し使用回数に制限がなく、摂食による殺貝効果がある。
チオシクラム粒剤
徐々に溶け出し、多雨時でも本貝へのマヒ効果が見込め、食害防止効果がある。

お問い合わせ

農林水産課/農業振興係

〒519-4392 三重県熊野市井戸町796
電話番号:0597-89-4111
内線:472

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